まさる先生のブログ

新たな武道の境地を目指します

M&SSの再起動ー14(香港・マカオの後日談Ⅰ)

所長室を取り調べ室に借用

入境事務廰の職員が帰宅し、宿直と幹部が残った大きな所長の部屋は、チームの待機場所にして、尋問室は小さな会議室に杉原さんとシンディーが警察官と同じ並びに座って、尋問を始めた。

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マカオは眠らぬ街と言われるがビジネス街はキチンと昼夜の区別が付いて居ますよ(^^♪

 異様な取り調べに、イワンは固まってしまい、禄に声が出ない。

マイケルが、フランス語でプロフィールを尋問する、キレイなフランス語に戸惑ったのか、住所も出身国も曖昧に話す。

 

マイケルは2度3度と同じ質問を繰り返し真面に返事もしない。


マイケルが苛ついた風情で、頭を振る。

マイケルが激怒の啖呵

周りのメンバーに目配せして

「おい!イワンよ嘗めんなよ日本の警察が何しに此処へ来たかか分かってないな!」と

吐きたくなけりゃいいよ、海に落ちましたと報告すりゃ好いんだからこの建物の外は、チャイナの海なんだよ、君の体なんか1時間も持たずサメの餌食に成っちゃうよ

 

日本語で顔を真っ赤にして怒鳴りテーブルを思いっきり叩く

 イワンより先に、まわりが飛び上がる程ビックリ、シンディ―は立ち上がって逃げ出しそうに身構えている。

 

落ち着いて眺めて居るのは、神田さんと杉原さんだけ。

 

イワンが体を震わせ表情が変わった、ぼそぼそとフランスの住所と、東京の住所をタドタドシク話す。

 

書いていた二階堂警部が、書き終わって目を上げ

「東京のマンション名と部屋番号をもう一度」とこっちは英語で催促する。

 

もう一度喋るが、マンションと実際住んで居た場所が違うのがバレバレだ。


「東京で、住んで居た場所が違うんだろう」とマイケルがトーンを落として聞く。

 

イワンは、何かを訴えるような顔で文字を書く仕草をした、紙とペンだろう。

二階堂警部が、ボールペンとレポート用紙を取り出し、前に出す。

 

ボールペンで何かを書きだした。

フランス語だが、東京のアジトらしい。

 

マイケルが
「お前さんは東京で2か所のアパートメントを持って居たのかい、豪勢だな」と言いながら、「病院で何を治療して居たんだね」とやんわり聞く。

 

「治療では無く、研究所に居ました」と少し観念したように話す。

「研究所で借りたパソコンを壊したね」とカマを掛ける。

 「壊しては居ませんが、メモリを借りて来ました」

 

「黙って持ち出したんだろ、盗んだのだ!泥棒だよ、今どこにある」と強めに言う。

「ザックに入れています」というのでマイケルは動いて、部屋の隅に置いたザックを見せ「どっちだ」と言うと、片方を指す。

 

マイケルが、自分で持ってイワンの前のテーブルに、ど~んと投げる様に置いた。

イワンは、慌てて立ち上がり、抱え込む様に引き寄せる。

 

「そんなに壊れやすいのか?」と白々しく聞いて見たが応えない。

自分で開けようとするので、マイケルが自分の方に引き寄せる、それでも端の方を掴み離さない。

 

「ダメだよ此れは押収品で、君のモノじゃないんだよ、開くのは俺がやるから何処にあるか云いなよ」とホックやジッパーを開け始めると、立ち上がって手を出しそうだ。

 

マイケルが取り調べを始める前に、神田さんと柳原さんに、時間が掛かりそうので携行しているウイルスの入れ物のあぶり出しをやりたいと提案する。

「どんな形で行く?」と聞くので

「裸にしてベルトやパスポートのケースや、ザックをわざと乱暴に投げて、反応を見るとか、USBとかHDDなどを取り出して、ドライバーでこじ開ける仕草などを遣れば、ウイルの怖さを知って居れば、どこかで大きな反応が出ると思うんです】

 マイケルはさっき言った、どう猛さを表に出し始めた。

 

マイケルはイワンの手を払い除け、お構いなしにどんどんテーブルに並べて行く。

 

ビニールのクッション材にくるまれたHDDとUSBなども出て来た。マイケルは無造作にポンポンと硬いテーブルの上に投げて行く。

 

「あぁこのハードデスクか」と呟き、表面から見ても何も見えないがこれもポンと置く

同じ入れ物に、シエービングとそ替え刃などもある。

 

ウイルスの争奪戦

小型の旅行用のシエービングローションが2個あり、少し重いと感じたがポンと投げる様に置いた。

こまめな野郎だねと思った瞬間イワンが腕を伸ばして立ち上がった。

 

マイケルが、その動きを予期して居たようで、置いたローションの小瓶を瞬間的に掬い上げ2つとも右手の中にあった。

 

イワンの右手は空振りで、身体はテーブルの上に上半身を寝かせた状態だ。

 

「イワンどうしたね、具合でも悪いのか」と神田警視がフランス語で呼びかける。

 

マイケルがポケットからドライバーとナイフが組み込まれたツールを出して、シェービングローションのビンを左手に持って、ツールのボタンを押してナイフが飛び出した。

その時 

「ギャァ~」と殺されたような声でイワンが叫ぶ。

 

隣の部屋で待機していた所長や被疑者のアラファトと警官二人が(局長が取り調べの間、警護として配置した警察官だ】腰を上げてホルスターに手を掛けて立ち上がる。

 

室内の関係者も、流れを見てるので、何かあるなと思った瞬間で、緊張していた。

 

「何だよ、何処か傷ついたか?」とマイケルが平気な顔で、イワンの顔を覗き込む。

 

イワンは顔いろが白くなるほど緊迫して、手が震え、唇は紫色だ。

マイケルがみんなに頷き

「イワンが具合悪そうだから休憩します、別室に移動してアラファトと交代します」と宣言し、シェービングローションの容器をさっきのビニールのクッション材の袋に入れ、神田警視に渡す。

 

二階堂警部に合図し、両脇を抱え立ち上がらせ足が利かないようなので引きづるように廊下に出ると、所長が出て来て(どうしたの)のみたいな顔で立って居る。

 

神田警視が
「隠し玉に触れようとしたら、愕いて気絶寸前でリタイヤです、隣のお部屋をお借りしたいのですが宜しでしょうか?」と聞くと所長が「うん」と言うように頷く。

マイケルたちが、イワンを引きづって隣の小部屋に運び、ソフアに寝かせ、警官を一人呼んで監視して貰う。

 

「あの声は相当なもんでしたね」とリュー所長もショックを隠せない。

 

「次はアラファトだが、こっちの方が手強そうだが、私が尋問マイケルくん書記、二階堂くんは監視で遣ろうか」

 

「その前に、小休止しましょう」とシンディ―が仕切る。

杉原さんは頭を掻いて

「本物は違うなぁ取り調べの現場は初めてだったから、強弱をつけてトコトン突き詰めて行かないと落ちないんだね」とシミジミと感想。

 

 

 シンディ―は、食事は大きな会議室の方がやり易いのに気付き

 

「食べ物は向こうに移動して、入れ替わりましょうか」と、広げたモノを袋に入れる、みんなで手伝い移動し、大きな部屋に来た。

アラファトに警官が付き添い、今までイワンの居た部屋に移動して貰う。

やっと深夜のディナータイム

「はいっ杉原さんが何もしなくて、一番疲れたご様子なので、どうぞっ」と最初に出す

「やぁ女神にお茶当番をさせて仕舞いました、有難うございます」と礼を言う。

 

「次はフランス警視庁のマイケル警部殿お疲れ様です」とお茶を差し出す。

 

「この部屋は未だ夕食に有りついて居ないので、これから軽く取ってください」と袋から食べ物を取り出し並べる。

 

さぁ食べようかな席についたところへ、着換えてさっぱりしたカン・ソンシが

「やぁ遅くなりました」と入って来た。手には食べ物の様な香りが周りに漂う袋が。

 

「カンさんは暫く軟禁状態かと思っていたが、美味しそうなものを調達してきてくれたようだよ」とリュー所長が歓迎の言葉で和ませる。

 

カンさんは日本の公立大学を卒業したので、日本語も中国は勿論英語もポルトガル・フランス・ロシヤ語も話すことも書くことも不自由しない人だった。

 

カンさんが見回して、被疑者が見えないので

「まだやっては居ないのですか?」と聞くので神田さんがマイケルに頷く

 

「実は2時間近く前から始めたのですが、言葉の問題もありますが、未だ肝心な物の認知と動機・行先まで行っていません」とマイケルがトーンダウンの話しぶりだ。

 

「そうだ前に局長から聞かれた【何か大事なモノを見たか】と聞かれたが、何ですかね、船の上では特別感じませんでしたが、いつもザックは離しませんでしたが、中に有ったのかなぁ」とカンさん言う。

 

「入れ物らしいのを確保しましたが、空けたらこの部屋の人だけでなく、凄い感染力のウイルスを持って居るんですよ」と神田さんに渡した袋を目で探す。

 

神田さんが部屋の入り口のカウンターに目をやり、あそこだと言う。

 

「な~る程、それを何処かに売りに行こうとしたのかな?」と首を傾げる。

「な~んで南沙を渡る?って」と口を閉ざす。

 

「カンさんその先は、暫く封印して下さい」と杉原さんが口に指をあて

「それでは、差し入れが豪華になったので、頂きましょうかぁ」と打ち切る。

 

レストランよりバラエティーに富んだお食事が和洋中華と、盛りだくさんだ。

 

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グアム島の隣のサイパン島が不吉な襲撃のターゲットに考えて居たらしい!!

杉原さんは、取り調べの部屋から出て本庁と連絡、マカオから羽田の直行便が少なく、国内の会社の便数が限られるので、香港にバスで移動し、融通の利く国内会社を選ぶことにした。ただ本庁はターゲットが持って居るものと、行き先が問題で深刻な事案になって居た。