まさる先生のブログ

新たな武道の境地を目指します

M&SSの再起動ー12(領海を超えた追跡劇は封印?)

マカオ治安警察局

 治安警察局は2階にあり、入境の事務所より緊張感があり、規律が厳しそうだ。

 

 リュー所長が、気軽に受付の前に行き
「局長に逢いに来ました、先ほどアポイントを取りOKでした」と話すと女性警察官が

「はいリュー所長さま、どうぞお通り下さい」と立ち上がって左の方に案内する。

 

局長室は、リュー所長の部屋と同じくらいの広さで、秘書役の警官が男女二名でお客がぞろぞろ入っても慌てず、静かにソフアのある部屋に案内する。

 

日本国の役人の来訪を伝えたのか、言葉を発せずきちんと動き、奥のドアをノックし
「局長お客様がお出でになりました」と声を掛ける。

 若い女性の局長さん

女性の声がしたと思ったら、部屋から出てきたのは30~40代の女性で制服が似合う美人だ。

二人の日本人以外は知って居たのか、驚きもせず静かに立ち上がる

「リュー所長 隣なのに暫くですねぇ」と握手する。

「隣ですが私が顔を出すと、うるさいのが来た見たいに敬遠されますからね」と返す。

 

「そんな事ありませんよ、お互いに情報交換は大事なお仕事ですからね」と受け流す。

 シンディ―も顔馴染み

「あらぁ今日は珍しい事シンディ―ちゃんもお出でになり、何か怖い相談ですか?」と冗談を言いながらハグをしている。

 

「局長さんは、冗談がお上手だから用心しなくちゃ」とシンディ―も返す。

「それにしても、次第に大人になり美しくなり、ボーイフレンドは何人いるの?」と揶揄う。

 

 「日本国のお役人には初めてかしら、杉原様ですね」と出した名刺を見ながら会釈する

「突然舞い込んで申し訳ありません、宜しくお願いします」と最敬礼をする。

 

「こちらの金髪のハンサムも、日本国のお役人ですか。ナゴ・マイケルさまですね」と名刺を眺めて居る。

「髪と顔以外は、完全な日本人です、宜しくお願いします」とこれも深い礼をする。

 

「グーさんこんにちは、グーさんも暫くですね、マカオには足が向かない様ですね」と気安い挨拶だ。

「姪御さんが頑張っていますが、頼もしいでしょう」と冗談で和ませる。


「今日は、難しいお願いで来ました。」とこちらも日本式の礼をする。

 ここでも先制ジャブ

「リュー所長今日の来局は、先ほど本土の公安から連絡がありまして、大体の事情は掌握しました。皆さまお掛けください」

 

局長の話は、心を悩まして来た事案に一筋の光明の様な言葉で綴られて居た。

中國の公安警備からの連絡でした。

 

マカオの民間船が南沙の付近に接近したので、領海線離脱で臨検し取り調べたが諸外国にも微妙な影響が有るので事案なので、中国海警局英語China Coast Guard)の警備艇随行し、民間船をマカオの沿岸に接近します。


領海内を航行することを許可求めます」言う話で了承しました。

 Kさんが拘束された

シンディ―はびっくりした顔で、何かを言いそうになったが、グー書記官が目で抑える

「ここからはマカオの管理下に成るのですが、行政区の小難しい話は後回しでいいです。

兎に角マカオの船を受け入れることにして、直接入出境さんに関りが無いのですが、得体の知れない荷物を検証する場所が欲しいのです」

 

「何か重要な荷物が有るのですか?」ととぼけた質問をするリュー所長は笑みを浮かべながら皆の顔を眺めまわす。

 

「杉原さんは、荷物を頂いた場合どんな処置を考えますかね」と局長がやんわり来た。

 

「はいっ何処か人目のつかない所で、ほどいて見て記録して必要なモノだけ持ち帰りたいですね」とこっちも惚けている。

 

「職員が帰宅してから、リュー所長のお部屋をお借り出来ないかしら?」と直球で来た

 

「はい そう来ると覚悟した所です、治安警察局は夜間も大分仕事をしているのは分って居ますから、その様な話も在りかなと考えて居ます」

 

「そのような場合、杉原情報分析官としては、チームにお任せして宜しいですか?」と警察局長は、本気度を出した様だ。

 

「私たちとしては、この事態を拡散したくないのが本音で、マカオの皆様のご厚意でこの現地で、荷物の詳細を把握して、荷物もマカオ発の便で羽田に送りたいのです、何しろ携帯物がどんな形で保持され、安全性を見極めることが重要だと思います」

 

「杉原さん、そんなに危険物ですか?」

 

「あっつ御免なさい、マイケルくん局長は詳細をご存じないかもしれないね」とみんなの顔を見る。

「エッ もしかして中身にも問題が有るのね?」と局長が緊張する。

マイケルの2回目の講義

マイケルが大きな体で立ち上がる

「済みません、云いそびれていました、話が前後しますが其の荷物は、殺人的ウイルスを大学病院で培養し、特殊な容器に格納して逃亡しています。

これは我々の推定でウイルス自体はミクロより繊細な物体ですが、格納容器はどんなものか分かりません。

荷物を乱暴に取り扱った場合、飛散するようなものではない筈です。

この説はWebの公開されている見解ですが、ウイルスは非生物に分類され、単独では増殖できないが生物の細胞内に侵入し増殖するモノらしいです。

            ウイルの定義(藻ディア提供)

 

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生物では無いウイルスは動物の細胞内に侵入して増殖する得体の知れない物体

 従って荷物を確保したら、その辺を充分勘案して、作戦を考える必要があるかと思います、いま移動中の艦船や高速クルーザーの乗員には伝えて置きたい情報かと気付きました」とマイケルが一息入れる。

 

「マイケルさん、微妙な荷物だったのですね」局長は腕時計を見ながら、

「後1時間くらいで領海に入りそうだが、バースは決めて居ないが、医療用装甲車も有るにはあるが大げさにしたくないから、うちの護送車で運ぶか」とトーンが落ちる。

 

「取り敢えず、装甲護送車をバースに待機させましょう、海上警備艇を2艘待機させているが接岸するか洋上引き取りにするか、私も出て見ますから。皆さまもご一緒して下さい」

 

その時シンディ―のスマホに着信音。

「そ~らシンディ―ちゃんのボーイフレンドだよ」と局長が笑う。

 

シンディ―はスマホを開きながら、窓際に離れて行く

「えっKさんさんなの・・・大丈夫なの?・・・」と立て続けに巻くしたてる。

 

「うん、いま治安警察局の局長室です、うん・・・はい分かりました・・・局長さんは後1時間ぐらいかなと言って居ました」

 

「クルーザーの船長さんなの?」とシンディ―の傍に局長が立って居る。

 

 「はいKさんことカン・ソンシ(漢・尊士)さんです、いま中国の警備艇と一緒に婆尾角(Pó wěi jiǎo)沖を進んでいるようです」

 

「私が出ても大丈夫かしら」と局長が当事者と話をして真相を知りたい様だ。

「今警察局の局長さんが、お話したいと言うので変わります」とスマホを局長に渡す。

 

「突然変わりまして驚かないでください、警察局のヤン・ワンヅ(楊・史子)と言います、シンディ―とは小さいころからの知り合いで、あなたの事も知って居ますのでご心配なさらずにお話しください」と丁寧に自己紹介をしている。

 

「自分の不注意でご迷惑をお掛けします、大変申し訳ありません」と詫びたようだ。

「そのことは、問題じゃないのあなたの仕事だから、それより話して居ても問題ないですか?」

「客人は警備艇に反抗し、両手両足を縛られこの船の後方に寝かせれて、聞こえません。

警備艇は大きいですから4~50メートル後ろを付いて来ます、何処へ着岸するかお前が聞けと言われて居ます。

この船だけなら何処でも付けれますが警備艇も着岸するなら、漁港かフェリー乗り場でしょうが、警備艇が公式のバースに入るには手続きが有るように聞いて居ましたので~」と切る

 

「そうなんです、プロの免状をお持ちの方で良かった、カンさん議事堂やカジノやホテルがある海岸通りの突端に「マカオ科学館」をご存知ですか?」

 

「はいフェリーターミナルの先ですね、あの建物を目印にすることもありますから、海からも良く見えますが、少し浅いかもしれませんね」

 

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建物が独特なスタイルなので会場からも目安になる(^^♪

 

「貴方のクルーザだけならどうですか」

「私の船は、船底が浅いですから充分着岸できます」

「じゃぁそうしましょう、とそこの二人の持ち物は沢山ありますか?」

「いや~今もこの船に載って居ますが、リックが二つだけで身に付けている、パスポートなども、さっき乗り込むとき戻されて居ましたから、多くは在りません」

「分かりました、今まで持ち物などで不審な動きは有りませんでしたか?」

 

「特に変わったことは無いですが、食いものが悪いとか寝心地が悪いとか文句は言いましたが、暴力を振るうことも無いので、問題は有りませんでした」

「ここからが大事なので、カンさん聞いて下さい、出迎えは私たち警官や他人は居なくて、知りあいのシンディ―さんが岸壁に行きます。

私たちは上陸する迄姿を見せません、着岸地点に黒のワゴン車ガ1台留まり中には日本のお役人が3人待機し、この車だけ緊急停車時のハザードランプを点灯しています。

あなたは着岸してから二人の固縛ロープを外して、二人を上陸させてからあなたが後ろから上陸して下さい」

 

「分かりました、警備艇はある程度深い位置で停船するように言って置きます」

 

「そうですね、この先は暫く内緒にして置いて下さい、実は東京からお役人が4人来て居りまして、二人の身柄は上陸時に引き渡します。

 

その後人工島に移して尋問しますがマカオの関係者は関わりません、取り調べが完了した時点でマカオから羽田に送還します。

従って上陸時ご商売の料金の精算をし、取りはぐれの無いように注意して下さい」

 

「シンディ―ちゃんこれ位ですが、気付いたことが有りましたら教えて下さい」

 

「ヤン局長が現役の警察官ですから申し上げることは有りませんが、話して良いですか

お家に電話したのか聞いて置きたかったのですが」とスマホを受け取る。

 

杉原さんが、傍に来て

「局長さん、なんかストリーが出来て居たように滑らかな指示で、感服しました」と会釈する。

 

シンディ―がスマホを仕舞いながら戻って

「ヤン局長、二人が上陸したらカンさんはどうすれば良いのかぁ、実は警備艇の艦長さんから、子供へのお土産を頼まれたらしいんです、私が後で買うことを頼まれましたが、本人が拘束されると渡すタイミングが遅くなるなぁと心配して居ました」

 

「大丈夫よ言ったけど取りはぐれるなという事は、以後 私は関知しないのでご自由にという事です」

 

その時、リュー所長のスマホがなり

「あぁ到着しましたか、あぁ神田さんですね戻ります」と香港組が到着したようだ。