まさる先生のブログ

新たな武道の境地を目指します

M&SSの再起動ー10(マカオ入境管理事務廰)

シンディ―の友人が危い

ターゲットが複数になったので足跡・シッポが捕まえ易く成るので有利かも知れない。

 

今回法務省の出入管理局はM&SSの本部に詰めているが、海外にもネットが有るのか在留カードなどの情報は残っているので、情報管理システムで追跡しているのだろう。

 

シンディ―は車を発進させ、同時に話し始める

「昨夜、その世界の知り合いにアポイントを取り、情報収集してきました」

シンディ―の知っている、裏社会から一定の距離を置いて独立したKさんが、2日前から行方が分からないようなんです、この人は私も何度かビジネス上のお付き合いがあり、信頼している人です。

 誠実な人は何処に行っても信頼される

海上輸送や近隣諸国に出かける仕事をやっていて、中國の官憲にも顔が利くので留め置きは無いと思いますが、仲間のネットで追跡して呉れて居ます。

 

私の世界も同じですが、共有する情報の厳守と、金銭の貸借関係が誠実な人或いは組織は、相互信頼の指標になる様で、祖父の時代から付き合いで構築されています。

グーさんもうなずき、内容は把握している様だ。

 

さっきのお話の、かしわぎさまが追跡したターゲットもビザやパスポートを提示できない人らしく、香港に入るのに済州島へ密航し居辛くなって、闇の漁船を乗り継いで、香港で身分証明に出したパスポートで手配され、日本から飛んで来た柏木さんが祖父の噂を聞いて警察では無く民間の私たちを信用為さって合流し、マカオの村はずれで漁船を交渉して居る情報を得て、祖父が今行方不明のKさんの高速クルーザーをチャーターして私も同行しました。

 まさるの信頼した人

Kさんと祖父・私・かしわぎさんの4人で、中國海岸沿いの村を探しながら、南下しました。何回か中国の官警に停止命令を受けたが、賄賂なのか物納なのか話を付け方が巧妙で拿捕されずに、躱して居ましたね

 

相手は日本国内で重罪を犯し、逃亡したようですが中國・香港などは協力関係が薄く手配をしても釈然とせず、うやむやになるらしいです。

 

今回の様に、捜査チームでお出でになるのは初めてかも知れませんね。うちの母も家の電話番なので、東京からお巡りさんが捜査に来るよって言ったら、驚いて居ました。

 

 車は港珠澳大橋澳門口岸の港珠澳大橋澳邊檢大樓と言う大きな建物の脇を通り、回り込むようにしてオフイスに入る。

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 シンディ―は慣れている様で、建物の入り口近くの駐車場に入る。。

 
未だ新しさを感じる建物の受付カウンターに近寄り、会釈しながらシンディ―と杉原さんが並ぶ形で挨拶する。

 

英語で併記した名刺を差し出し、東京から非公式に不審者の足取りを追って居ることを伝える。

 

受付の女性が飛び上がるように立ち、名刺を持って

「少しお待ちください」と短く答え隣の同僚に中国語で、席を空けることを伝え

「プリーズ」と左のカウンター脇に動き、

「こちらのコーナーでお待ちください」と言って脇のドアをノックしている。

  

「オーライ」という声と同時にドアを開け、名刺を出して来客を説明している。

「リーさまとみな様、所長がお待ちして居ました、どうぞ」とドアを大きく開ける

 

入境管理事務廰リュー所長

大きな部屋で5人程事務を執って居たが、奧の一角に所長らしい人物が笑顔で立って居る。

 

「やぁーシンディ―久しぶりだね、日本のお客さんを案内して来たの」と如才ない形で招いている。

 

「リュー所長 案内係じゃなくて、所長さんにお願いが有って来たのです、こちらが日本の外務省の杉原さんと名護さんでこちらが香港の総領事館のグー書記官で私の叔父ですが」と切ると

 

「そこまでで良いよ、続きは私の個室に移ってから聞きましょうか」と横のドアを開けると大きな部屋に高級な会議室なのか、低めのテーブルをはさんで皮のソフアが5個づつ並んでいる。

 

所長がセンターに立って「どうぞお掛けください、シャンさん先ほどの書類とコーヒーをください」とみんなの顔を見て

 

「コーヒーで良かったかな」と笑う

 「突然の来訪ですから、お気を使わないでください」と杉原さんが恐縮している。

 「そうですね初めての方に失礼でしたね」と笑いながら

 

 「先ほど、丁度九時でしたが香港政庁の外事課から緊急のFaxが入り、皆様の目的が凡その見当がついて居たんですよ」

 

「えっつ、私たちの使命をご存知でしたか?」と杉原さんが驚く。

 

 「Faxだけじゃ判断できない部分が多くて、電話で確認したばかりでした。
追っておるのはフランスのイワンとイランかトルコのアラファト・チャンシ―と言う名前だそうですね」