素直で誠実な後継者が身近に
名護姉弟の評判
鈴木奈緒美さんに電話して、次長の所在を確認した。
「鈴木さんが急用なの?」と、聞くので名護くんの事を相談したいと、言うと
「やっぱり目を付けたわね」と、鋭い勘働きで指摘する。
「なんですか?」と、惚けたが鈴木さんもご承知で、名護くんは稀にみる逸材で「あっちこっち」からマークされているらしい。
姉の、名護スーザンも庁内では評判で、警視に昇格し地方からも要望が出てるようだ。
容姿が日本人離れし日本語は当然だが、英語・フランス語・中国語も堪能で、外務省が一番先に手を挙げたらしい。
本人は本土の田舎の生活に興味があるようで、彩音さんの転身にはショックを受けたようで、暇があるとラインとメールで情報を共有しているようだ。
その弟のマイケルも、性格温厚で空手をマスターし指導者の域だが、地元沖縄と九州の業界の狭間で空手を封じて、入庁したようだ。
武道の改革を目指して
鈴木さんに、まさるの思惑を伝え次長を含め,庁内の意向を掌握することを依頼する。
まさるは、始まったばかりの武道の師範は、自分の理想とする方向なので続けたいが、やはり空手と合気道をミックスさせられる人材を、育成すべきと考えて居る。
佐々木次長も、人格品性だけでなく武道の技を併せ持つ人材を探して来た。M&SSをスタートするときも、以前から上司の金橋さんから内示が有り動いて来た。
本人には話さず人事の情報を元に選考し40名でチームを編成、本庁から分離したオフィスビルで業務開始した。庁内の仲間にも一切語らず特命事案の処理に関わってきた。
生活環境と人間性重視
特に重視したのが、家庭環境の清廉さと人間性!誠実で意志の堅固性・個の即妙性
など一般の企業では問題視しない特性も、この役所の人事考課は極めて繊細だ。
これらの人間性に加えて、武道の習熟度も人並みじゃ先行き不安要素になる。
良く剣道の寸止めと言う技が有るが、相対する人間を傷めつけずに確保する技は、当然身に付けなくては認証出来ない。
これは武道の試合でも求められるが、勝負で有っても相対するモノへの尊敬の念が必要だ。勝負に勝って、雄たけびをあげるような人間は必要としないチームでもある。
先日横浜のランチで、マイケルの意思を確認したので、まさるも気持ちの整理が出来、上層部のOKが出るまで様子見の部分もある。
マイケルも、まさるの結納ランチに参加し学生時代から引きずってきた、古武道のシガラミから脱皮した感じだ。
毎日の強化に積極的に参加して、明るくなった。