まさる先生のブログ

新たな武道の境地を目指します

まさるの後継思わね展開

相変わらずの講道館通い

今日も地下鉄で後楽園駅に降りたマイケルは、長身を利して大股で追い越してゆく、気付いたY講師が後ろから声を掛ける。

 

「マイケル、何でそんなに急ぐんだよ~」と、傍によって並ぶ。
「あれっY講師失礼しました、考えごとして居ました」と、丁寧に頭を下げる。

 

道行く人は外人さんが、日本人に謝って居る様に見える。慌てたY講師が
「マイケル、最敬礼は道場の中だけにして下さいよ~」と、笑う。

 

「Y先生,昇段審査は先生のアドバイスを実践して、上手く行きました有難うございます」と、また頭を下げそうにすると

 

「マイケルは素直過ぎるから謙遜に見えないが、実力なんだよな~」と、真顔になる。「すべて一本勝ちだったらしいね、特に審査は掛け引き無しで進めるので、マイケルの性格としては合っているかもね」と、納得したようだ。

 

「4段に進む使途は若い人が多く、元気は良いですが力づくで来るから、返ってやり易いですね」と、マイケルが感想を言う。

 

「マイケルもそこに気付けば、柔道に関わり方が見えたね」と、Y講師も笑顔になる。「いまは、柏木先生の助手ですから学生や研修生と汗を流すだけで済みますが、柏木先生は現役の警視ですから、移動があったら僕は大変なことになりますよ」と、先を心配している。

話に夢中になって居る間に講道館の入り口に着き。マイケルが「加納治五郎」翁のブロンズに礼をして、Y講師に続いて講道館に入る。

 まさるにもマイケルの派遣の話が


マイケルの父親の伝手で派遣の要望の来たことで、佐々木次長も困惑したらしい。

アメリカ大使館の外事担当でM&SSの時代に知り合いから、次長のの私用携帯に内々の話として入った。(マイケルを一時的に大使館付けに派遣できないか)と言う、話だ。

 

鈴木警視正は長官官房の審議官だが、大学の武術教練の後継者を育成して居ることを承知しているので、大使館の話が余りに唐突で(何でマイケルなのか?)(業務内容と期間とか)情報が薄くて、苛ついていた。

 

話が長官室にじかに入り、長官室の室長が人事に問い合わせ、中身を伝えたのは長官室で次長以下内部の幹部も認知して居ない事案だった。

 

佐々木次長は人事の話は長官室と言えどもタブーの筈が、外部に筒抜けで漏れたことに危機感を覚え、即日下調べをして内部と親兄弟に事情を聴き、局部長に招集を掛けた。

 

長官室長は、キャリアで入庁し最近警視庁から戻ったばかりだが、軽いタイプで調子がいい奴と噂が広まっていたようだ。

次長が開口一番

「都内に、大使館や領事館が軒並み並んでいるが、あそこは外国なんだ」と、大きな声で開始した。
「電話が来たからと、安易に応答するのは厳禁の筈だが、今回部局で言うと長官官房が外交ルートを通さずダイレクトの案件に、職員の個人情報をFAXで送った様だ」

 

「言語道断だ、譬え総理大臣やアメリカ大使から問い合わせが有っても、どう対応するか百も承知して勤務している筈だ」

「ここは国の警察行政としての最高の組織の筈だ。そのトップ機関が、こんなことも知らずに指揮をしているのか」

 

「この会議は局・部長以上の筈だから、統括官から詳細を報告して呉れ」と、次長が開催挨拶も省略して単刀直入で開始した。

当該部局の人事と長官官房も出席、全員顔色が悪い。

 

長官官房の統括が内容を知ったのは、次長の問い合わせで知り、人事も組織上長官官房の下にあるので、人事の担当も事案が外部からの問い合わせと気付かず、プロフィールの部分をコピーで渡した。

 

「大使館の、知りあいが居り私の私用携帯に(この職員を派遣できるのか?)と 、聞くので(何でそんなこと聞くのだ)と逆に来て見ると(詳細を貰っているけどユーの決済を受けて居ないのか?)と、向こうも当惑したような返事だったよ」

 

「私は早速追跡したが、当該職員はアメリカの退役した高級将校の子息で、今本庁に師弟で入庁して有望な職員で有ることは隠し立て出来ない。両親は沖縄で父親は貿易会社を経営し、電話してみたが彼は分をワキマエタ紳士で(昔の大使館勤務の後輩将校から所属を聞かれたが応えず、就職したばかりだからタッチするな)厳命したらしい」

 

「その後で、本庁勤務の姉にも聞いたが鈴木審議官から聞かれるまで知らず、慌てて沖縄の父親に聞いたが(折角公務員に就職した息子を、曖昧な仕事に就かせることなど考えて居ないよ)と、しっかりした返事をもらったようだ。当然本人には聞いて居ない」

 

「むしろ慣れている筈の我々が脇が甘く、変な事案を作り上げて仕舞った、今後も無いとは言い切れない問題なので、内部の問い合わせでも個人で処理せず複数に開示して返答はチームリーダーが、証拠を残して実施する」

 

「これは、長官官房で責任もって対処し同一の処方で即日実施すること、質問があるならどうぞ」と、言ったが特になかった。

 

この段階では、本人のマイケルは知らず職務を粛々とこなしている。師弟親兄弟も緘口令を敷いて、内部から漏れたら処罰するくらいの厳命事項だ。

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聳え立つ大使館毛嫌いする必要も無いが内部事情の甘さで当分は鬼門👹

 

まさるやスーザンにも達しが出て、マイケルには大使館の「た」の字も話さないことになって居た。

 

これは本庁の組織の職務規範の問題で、全庁に緊張感が張り詰めている。
若し大使館から再度問い合わせが有ったら、全て長官官房に回すことで統一した。

 

”本庁が試されている”

事案の中身ではなく、職務遂行時の規範の曖昧さが蔓延っている