まさる先生のブログ

新たな武道の境地を目指します

武道場のきずなー26(シンディーの移住作戦ー7)

シンディーの出番

シンディーがマカオの有志や母親と日本に行き、今後の重大事を決めて帰った。仕事はキャシー・ニールに任せていたが、全て卒なく処理し肩の荷を降ろしホッとしていた。キャシーから、連絡の入っていた妹分の呉・劉華が難題にはまっているので、マカオに呼んで直接聞く事にした。隣国の友達で麗・宮春が、政府のトップ機関で機密の宇宙船の部品調達で、ターリエンに出張中にAー6版位のノートを渡され、中身を読んで仰天したことまで聞いたが~。

ターミナルの待合室に顔を出すと、呉・劉華は落ち込んだ顔でベンチに座っている。
「よっつ」と言いながら右手を上げるが、劉華は頷くように首を振って応えるだけ。
道場では、いつもはち切れるほどの笑顔で迎えて呉れるのに~と、心配になる。

蛇口のフェリー乗り場

マカオのターミナル

「どうしたの?可なり落ち込んでいるんじゃない?」とベンチの隣に座る。
「そんなに深刻な顔しているっ?」と劉華は泣きそうな顔で聞いてくる。
「分かった、はぐらかしてごめんタ―リィンに行った話ね、可なり深刻じゃない?」
「そう、おばぁちゃんにも話せないのよ」と言うので「それじゃここで話せないわね、事務所に行きましょ」と立ち上がる。

事務所には、頼もしいサブリーダーのキャシー夫妻が仕事をして居た。
「お帰りなさい、あらっ珍しい劉華さんじゃないですか、いらっしゃい」と奥さんのケリーが立ちあがり迎えてくれた。
「お邪魔します、ケリーさんお久しぶりです」と劉華がほっとした顔になった。
「お茶を淹れますね」と社長室から出て行く。シンディーはいつも社長室を使わずキャシーたちと一緒の部屋で仕事をのだが、話が込み入っているので今日は使う。

香港なら叔父さんにも相談できるが、今から呼ぶわけにいかず後で報告しよう~。
内密な話だが公私をわきまえて居るので、話せば的確なアドバイスが貰えるはずだ。
劉華が徐にシュルダーをテーブルに置いた。
「良いですか?お茶が淹れました」とケリーがノックする。
「はいお願いします、有難うございます 今日は一段落したらお終いにして下さい」とシンディーが声をかける。「明日役所に出す書類のコピーです」と礼を言いながら出て行く。

頼もしいおねぇさん

「何が入っているの?重そうね」と、シンディーも低い声になった。劉華は、しっかりした紙袋を開き見慣れない紙幣の束を出した。表は西洋人の顔に100の文字で印刷され帯封も英語で印刷され、頑丈な感じで重々しい束が4~50個ある。
「こんな大金を、どうしろと言うの?」とシンディーも口あんぐりだ。

劉華が静かに話し始める。
宮春の両親が不幸な境遇で、若い時ヨーロッパで拉致され、隣の国で束縛されながら専門分野の仕事を遣っているらしい。母親は病気で宮春が小学校高学年に亡くなり、家族は父親と二人だがいつも誰かが監視業務で、家の中に駐在している状態らしい。今は親娘とも国に忠実に仕事をするので、信頼された様だが監視の人間は同行している。

今回、宮春が「タ―リィンの土産など買い物したい」と言うと、チームリーダーが
「物騒だから明るいうちに帰ってくださいよ」と許可したらしい。
「この後どんな計画なのか、明言せず<お金はシンディー姉さんと相談し費用にして下さい、お願いします>と言ったのよ」と神妙な顔で話す。

シンディー納得

「そうか 分かった、私の勝手な予測だが「脱国」なのね、家の仕事の事を知っているるのね、さっきの手帳見せて」と言う。

ページを繰りながら「父と行動を共にします」「劉華さん深圳で連絡します」「今汽車に乗ります」この辺の文字列で、LINEでレスキューだろうね」とノートを閉じる。シンディーはノートを手に目を瞑り、少し考えていたが
「宮春に私のLINEのアカウントを教えて、「お友達」に追加しても良いか聞いてみて」と提案する。劉華は即座にLINEでトークし「良いそうですよ」と中国語のトーク画面を示す。「それじゃ、お父さんと宮春さんと、劉華さんと私が一つのグループにして共有しても良いか伝えて」と劉華に言うと、すぐ「OK」のトークよ」とスマホの画面を見せる。「協力しますーと言って置いて」と言いながら、考えている。

「パパのネームをカタカナで逆に入れて、とトークして」すると、「ジウコサグエサ」と返信が来た。シンディーは即OKとサインし、劉華がトークする。

麗・浩治さんの積極作戦

麗・浩治さんは、役所勤めだが普通のお役人ではなく、近所付き合いもなく自分の情報も周りとは話もしなかった。ただ外ですれ違う人がこの国の人じゃなく自分と同じ民族だと感じる事が度々ある。

周辺のコンクリートの団地は、役所勤めが居る様だが顔を会わそうとはせず挨拶もしない。24~5年も住んでいるが、親しい人は居ない、何しろ行動は誰かが付き添うので、無駄話など出来る環境ではない。

但し、浩治さんは前から関わっている2000Km以上飛翔のロケットを複数回発射し、その方面の仕組みの指導者である。今回は多弾頭を組み込む工作中で、試験は地上の建家の下で実施、本番は違う場所で行う。

国の首領も知己

国の指導者は、敵対国向けに列車のレール上や大型トレーラーから発射したい様で、浩治さんはロケットやミサイルの管理部門に属して居るんので、国のトップとの検討会義に呼ばれた時、秘策を提案した。IAEA(国際原子力機構)の要請で、核開発の施設と指摘された鉱山跡のリサイクルだった。

当時、廃墟のなった施設の外観をそのままの姿で、昔の坑道を掘り下げ表面の廃屋の真下にICBMをセット、廃屋の上部は手を付けず建家の下に開閉式の格納式の発射装置を造る。推進燃料は液体だが、おなじ地下鉱山を整備しミサイル用の液体燃料や液体水素の格納設備を整備する。これは時間が掛る作戦だが、偵察衛星から察知不能な作戦だ。もう一つは、ソビエト時代に開発された、液体燃料方式を改良し、機体内部に燃料を注入したままミサイル内で保管できる「貯蔵式液体燃料」機体改造案も考えられます、何れも予算をオーバーします。

以前の施設は、過疎地域ですが施設の入り口が三方にあり、廃施設の再整備では無く周辺に住民の住宅施設などを整備、いかにも住宅地の整備中で機器類は衛星の周回監視時間を見極めて作業することも、大事なテーマになります。

基地の廃墟を修復

この案を採用たが国の幹部には告知せず、担当部署は国の首領直轄で、関わるスタッフは新たに招集し秘匿事項を緘口令で進行した。もちろん麗・浩治の専有事案で、特定の地域だけでは無くIAEAの破壊命令を受けた施設を全部掌握し、外耳の注目を意識して巡回、廃墟的な部分を整理し破損した建家を修復、取付道路も車両の出入りできるくらいに整備した。

浩治さんは、壮大な計画で上申したICBMの地下格納作戦は、チームのスタッフにも内密部分の工作活動が有った。現有の軍事基地にも顔を出し、整備工場なども積極的に視察航空機や武器の整備中の従業員にも、質問していた。

帰宅後国外から輸入したの家電製品を分解、何か小さなものを作成することが多くなった。宮春が気にして「何を造っているの?手伝いましょうか?」と言うが、「大丈夫だ、玩具だよ完成したら教えるよ~」と笑う。

そのころシンディーは、川渡のユウリンにメールして旅行の礼を言う(^^♪