M&SSの再起動ー23(カン修仁くんと恵姫さん到着)
仙台空港にお出迎え
シンガポールから7時間ほどで羽田経由、3時前には仙台空港に到着するらしい。
格安の早朝便をゲットしたようで、修仁くんたちは学生療からタクシーを予約して間に合わせたようで、まさるのスマホに到着時刻を通知してきた。
丁寧な日本語で大人のような雰囲気の文面で【父たちは15時くらいなので柏木様に連絡さして頂きます、父たちには車も持って来ていないので、宜しくお願いします】とあった。
子供たちはシッカリしているね!
到着前には空港に入りたいので、昼前だが香織さんと二人で慌てて東北道で先を急ぐ。
カンさんたちも、子どおたちは夕方だろうと三沢でランチを予定していたが、羽田に着いたとスマホにメールが来た。
慌てて弁当を買い青い森鉄道に飛び乗った。3時前に空港まで付きそうもないので、まさるにスマホで連絡を入れた。
「少し早かったようですね、いま東北道から別れて海岸のほうに向かう高速の支線に入りました、古川で降りて一階にコーヒーショップがありますから、待って居て下さい」
「お願いします、運転中のようですから切ります、落ち着いたら連絡ください」と言って切る。友人のさりげない一言が、ジンワリと身に染みる。
国内線の出口から一目でわかる兄妹が、満面の笑みで近寄ってくる。
「カン・シュウジンです」と、長身を折り曲げて丁寧にお礼をする。
「カン・ハーウインです」と癖のない黒髪を軽く束ねた笑顔で頭を下げる。
さっきまで、LINEでトークしているのですぐ打ち解けた雰囲気だ。
香織を紹介し出口に向かいながら、古川のカンさんにLINEで報告する。
「古川駅に今着きました、一階のお土産屋さんでぶらぶらしています(^^♪」と返信!
「今柏木様のスマホをお借りしています、スタバのコーヒーを頂きながら高速道路を走っています」とシュージンくんがトーク。
明るいカン兄妹
「迷惑をかけるなよ」とカンさんが返信。
「ママは静かだけど、元気ですか?」とケイヒンさんがからかい気味にトーク。
「まぁ~ケイヒンも、大人っぽいトークになったわねぇ」とユウリンさんもにっこり。
香織さんが外の景色を見ながら、初冬の野山を説明し【いつ頃から雪が降りますか?】とか【スキーで滑るところは近いですか?】とか、冬の遊びに関心があるようだ。
車は、古川のインターチェンジを降りて、東のほう古川の市街を通り抜け、新幹線の駅近くの駐車場に入る。
駅ビルにはカフェがいくつかあるが、駅は2階に設定されているので一階部分に、レストランやお土産店などがにぎやかだ。
エスカレーターで降りた正面に少し大きめのカフェがあり、カンさん夫妻も窓際に席をとって待って居た。
午後2時を回っている。まさるたちも昼食をとらずに動き回っていて空腹を感じて、店で顔を合わすなり
「カンさんたちはランチをとったの?」とまさるが尋ねる。
「少し早かったが三沢で弁当を買って、新幹線で食べました」と笑顔だ。
「じゃ~僕たちだけか~」とシュウジンくんを見ると自分たちも昼前だと、自分たちもと顔を指さして、空腹をアピールしている。可愛いもんだ。
「じゃぁ隣に食堂があるから軽く取ろうか」と顔を見回す。
「じゃぁ僕たちはここに待機しますから、行ってらしゃい」と財布を出してた。
「カンさん今日は僕が持ちますから」とまさるが遮り4人で隣の海鮮料理などの店に席を移した。各々好きなものをオーダーした。若い二人は生の魚も平気なようで、海鮮丼ぶりや胎盤の握りセットなど、日本食が平気なようだ。
食事が終わって、カフェに戻りコーヒーで落ち着き情報交換をしながら、旧交を温める。まさるが川渡の彩音さんに状況を報告する。
「豊さんが、石巻のカキと野菜類を持って来てくれたので、フライの用意をしておきますね、軽く取ってきてね」と念をおす。
大事な友人も誘う
「わかりました、小野寺さんが来ると言っていたが来たらご一緒するように誘っておいてください」とまさるが友達を誘う、カンさんたちも移住する大事な友人で、地元の友人に紹介する意味も大事だ。
「そうですね、珍しく築館の俊太郎さんがお稽古に寄られたので、お誘いしてしておきますね」と大事な友達二人を誘っていた。
「そうでしたか? お兄さんも当然引き留めておいてください、しばらくお会いしていないので話もしたいですね」とまさるも期待して居る。
夕食はお客が多く賑やかだ。
昨夜彩音さんと香織さんが相談していたが、留守中に彩音さんが弓道の女子塾生に声を掛け手伝ってもらったようで、食堂に修仁くんと恵姫さんの歓迎の飾りつけをした様だ
食堂の正面に【歓迎】【ようこそ”シュウジンさま&ハーウインさま”】と横断幕が掲示されスポットライトで照明して有った。豊さんも手伝ったらしく、賑わっていた。
彩音さんは、椅子にかけてテキパキと指示を出し、研修所の斎藤先生が若女将のように配膳や、参加者のテーブルにネームシートやプレートを造り、胸につけていた。
カンさん夫妻や佐々木さん・小野寺さんたちも、何事かと驚いた顔で席に着いていた。
そこへ弓道の女子部員に先導された、主役のプリンスとプリンセスが上気した顔で進んできた。
彩音さんが、胸に着いたマイクで挨拶し、お二人の歓迎の意味で研修場の皆さんのお手伝いで、サプライズを演出しました、脅かしてごめんなさいね!と謝る。
ここで、まさるが替わり
「カンさん夫妻の来日は少し長くなるので後で紹介します、お子さんたちの到着を歓迎するためにささやかな食事会にお付き合いください」と簡単に全員の所属と名前と関係を紹介した。
カンさん夫妻と、シュウジンとハーウインさんの名前を紹介、住まいと名前だけをご自分ので話し、カンパイの挨拶を斎藤先生に振る。
斎藤さんには事前に、少しだけ情報を出しておいたので、さりげなくマカオとシンガポールからの珍客に礼を尽くした言葉で。歓迎のあいさつをしながらカンパイと杯を上げる。
カンさんたちは、まさるたちの流れに任せにこにこしている。
俊太郎さんと小野寺さんは、事情が分からず戸惑っていたが、まさるは
「お酒の飲める方は召し上がってください.喉を潤したら食事をしながら、順々にお話を紹介してください」
俊太郎さんが話したい素振りなので
「本日一番遠い所にお帰りになる、佐々木俊太郎さまより伺いましょう」と紹介する
俊太郎さんは、一番に指名されるとは思っていなかったようで、慌てて立ち上がり。
「カンさんご一家、初めまして佐々木です、私は柏木師範とは師弟関係で、少し距離があるので1年に4~5回しか稽古できない、不真面目な弟子です。カンさんは柏木さんとは深いおつきあいのようですから、この交流を十分楽しんでください。何んで招かれたのか理解して居なのですが、今日は有難うございます」とまさるを見る。
「佐々木さんは、私のお兄さん的な方でこの方の弟さんの下で働いて居た時、香港に出張してカンさんにお世話になった、長い話があります。また今日は佐々木さんと小野寺さんは友達の少ない私の大事な友達が巡り合わせたのも、何かの縁でしょう」
その時、カンさんが顔を上げ、まさるをみる。
「それでは今晩の準主役的な、カン・ソンシさん、またの名前は榊原修二さをご紹介します」