まさる先生のブログ

新たな武道の境地を目指します

武道場のきずなー21(シンディーの移住作戦ー2)

倉敷にご挨拶

天童で新幹線に乗る前に、岡山の爺ちゃんに電話

<夕方岡山に行きます>と岡山着の「のぞみの」の時間を伝え、詳しくは話さないが、いつものことでしっかり通じている。

母の実家は新幹線の新倉敷駅から可なり離れており、いつも岡山駅を使うので大体の時間を言ったが、いつものようにベンチに爺ちゃんが座り、スマホをいじくっている。

ひときわ目立つシンディーが、大きい声を出して「爺ちゃん」と手を振る 周りの人たちは一斉に指さす方に視線を移す。

爺ちゃんは、照れながら立ち上がり「ようっと」言いながら近寄って来た。2年前と比べ白髪増えたようだが薄い所はなく身体もシャキッとしている。まだ現場に出て作業の監督を務め”ケガや事故”を未然に防いでいる様だ。

爺ちゃんの運転するワンボックスは倉敷に入り、古い屋敷の前を通り過ぎ

「今度は少し見晴らしが良い、水に悩まされない無い所に建てたよ」と道路から緩い登り坂を登ると、台地新しいお家が建って居た。シンディーが小さいころ、木イチゴなどを摘んだ山だ。

見通しが良く天童の幸ちゃん家を思い出した。

お爺さんの話しでは、この辺は土地が低く大雨が降ると川が氾濫し、4~5年前の氾濫で何日か水浸しになりボートを使った生活をした様だ。それに懲りて、林と野菜を育てていた小高い土地を造成して、まるまる引越しした。

新築した家は可なり広い感じが、幸ちゃんの家と同業なので工場のような建物もあった。シンディーは内心<ここも良い候補地だなぁ>とにんまり顔が綻ぶ。

祖父と、母の兄弟たちと会って「マカオから離れたい」事情を話す。

宮城や山形の友人たちに会い、信頼できる人たちに自分たちの気持ちを打ち明け、考えて貰って居ることも話し、日本への移住を本気で有ることを告げる。

未だ何処にするかは決めて居ないが〈都会では無く友人の多い地方になりそう〉で〈東北地方になりそう〉の事も話した。

祖父は、岡山も考えて欲しい顔をして居たが、母は強くは言い出さなかった、ユウリンや彩音さんの幸子さんの知己が好印象に感じている様だった。

シンディーもこれから所帯を持つかもしれないので、榊原さんやユウリン、彩音さんまさるさんが長い間付き合いがあるので、信頼しているしマイケルの気持ちを確認したい気持ちもある。

小高い山の下に田んぼ在る典型的な日本の農村の景色

シンディーは、生まれた時から香港とマカオにしか住んで居ないので、日本の牧歌的な景色が安心できるし和子さんも回帰性が強いようだ。

観光地だが倉敷ののどかな風情

3週間ぶりにご帰還

今回の日本ツアーには、リー家の思惑が強かったがリユー所長やハウ叔父さんにも気付かれず、日本の友人たちに自分たちの思いを伝え今後の進捗に期待出来そうだ。

倉敷滞には観光を含めて5日ほど滞在し、大阪空港から香港国際空港経由で3週間ぶりのマカオだ。留守番で業務を仕切っていたニールが

<深圳の呉さんから電話が有りましたが、今月末に友人が来るので香港からボートを出せるか問い合わせが有りました>まだ2週間あったので、お嬢様の帰ってからで良いと言うので、連絡しませんでしたと言う。

カン(榊原)さんが、八極拳を学んだ深圳の道場の孫娘で、ユウリンの妹のような存在だ。シンディーも、同じ道場に入門したがおばあ様は日本にも門弟が多く、年に半分くらい西日本で指導していた。

話しは思わぬ方向に

早速スマホで連絡する。

電話では話が漏れるので、会って直に話たいと言う。

早速翌日の午前中香港のカフェで逢った。劉華さんは師範代で道場を仕切っている。

学生時代武道の上部組織の要請で、八極拳の研修で隣の国へ非公式に指導に出かけた。そこで知り合った女子生徒が可なり高級層の出身だが、常に付き人のような目の鋭い男性と女子の警備員が付き添い、印象が悪かった。

その後、その生徒が深圳大学に研修学習に来て、呉八極拳道場を訪ね指導する機会があった。その時も付き添いが居たが、中国本土の為か女性の付き添いが一人だったので、かなり自由度が有り色々話が出来た様だ。

話しはかなり複雑な問題が潜み、危なさを感じるがシンディーとしては、妹分の劉華が悩んで居る事を放っとく訳に行かないので、話をキッチリ聞いた。

今回は、前に逢った女子生徒が政府機関の職員として中国の大蓮(ターリエン)で、役人として出張中の彼女に会ったようだ。工業都市で、機械類を発注したが納期が遅れているので、催促に行って来いと言う命令だったようだ。

その女子生徒は、ある国から不法入国した外国人の子息で親も子供も常に監視状態の国民の様だ、ただ頭脳明晰で中学時代に大学入学問題を解き周りを驚かすくらいの人物だ。その子は決して言わないが、付き添いで来た女性警備員が自慢げに話してくれた。

その警備員は、高階級家族の警備を誇らしげで話してくれたが、その子 麗・宮春(レイ・キュウシュン)は温厚で決して自慢せずいつもニコニコしながら八極拳を稽古しているらしい。父親も温厚な人で、宇宙船の設計に関わり可なり良い地位で、裕福な家庭らしい。

ただその子の母親は、幼少時に病気で亡くなり付き人の指導で養育されたが、素直に育って身長も高く色白の美人だと言う。育ちが良くて秀才で秀麗なお嬢様なら、申し分のない話になるはずだが・・・