まさる先生のブログ

新たな武道の境地を目指します

武道場のきずな-19(山形のお友達ー6)

署轄と真剣勝負

山形県警察本部の理事官斉藤俊二が、未可決の事案を時系列的に話、至近の経緯をまさるにタッチする。

まさるは、同期の斉藤理事官と久しぶりに会う機会が出来ましたが、事案にこだわりは有りません。偶々第三者的な被害者が、知人で有るため友人の捕捉を話します。

天童市在住のK被害者と行動を共にしていた女性が、現場で事件を目撃し意識障害に陥り、社会生活を絶たれた女性から話を聞き。

6年前の「人間将棋」のイベントの日に、発生したことを知りました。

事件以降の目撃者山本幸子さんの症状と、その学友(リー・シンディー嬢)が私の知人で、川渡の道場の宿泊施設に逗留することになりました。

山本さんとシンディーが深圳の大学で過ごし、卒業後も交流を続けたが途中で前触れも無く突然音信不通になったので、今回事情を知りたくて電話した。

超法規的活動

私とシンディー嬢の関りは、本庁の特捜部(非公式)から国内で機密情報を搾取した外国人を超法規的な指令で、司法権が無い為香港の領事官支援を受けながら、民間(マカオのシンディー嬢の祖父Fさん)のクルーザーを借り上げ、情報収集活動に入った。

Fさんと協力者のカン(榊原)さんと私の3名で追跡捜索をしました。

 

今回、シンディー嬢の来日は事前連絡で承知し、山本さんの話は昨夕はじめて聞き、その深刻な事情を把握し、シンディー嬢と山本幸子さんの再開に同行した>と、着席。

 

この後、本部と所轄の関係者が別室で事案の検証するようで、まさるは一定の役割を果たしので斉藤くんに目顔で挨拶、立ち上がりかける。

 

署長が慌てた様に「柏木警視、まだお茶も差し上げていないので、ゆっくりして下さい」と立ち上がる。

「私の部屋に移動して頂きたいのですが?」と、まさるの傍に寄ってくる。小さな声で「柏木さんの武勇伝をお聞きしたいのですがぁ」と笑顔になる

 

まさるは斉藤くんに引き継いだので深入りせず、尾花沢を回ってドライブしようと考えて居たので、戸惑った顔をしてた。

署長が歩きながら「今日は県本部から理事官がお出でなるので、ちょっと外回りを眺めていたのですが、駐車場に宮城ナンバーの道場の車が入って来たので、思い出しましたよ」と嬉しそうに話す。

 

「どうして宮城の道場の車に、ご関心が有るのですか?」と聞いてみる。署長室に女性警察官が執務中だったが、軽く会釈をして署長の顔を見て頷き続きのコーナーに入る。

「どうぞおかけください」と二人掛けのソフアを勧め、自分は一人掛けに腰をおろす。

まさるの身上

「実は先週、管区警察局の会議で幹事を遣って居るので参加しました、本庁の佐々木次長が”信頼„している部下が<辞職して田舎に移住しますと辞表を持って来たんだ、どこへ行くんだ聞いてみると<宮城の北部で二人で武道場をやることに決めめた>と言う。私も宮城北部の出身だから、ホットするものを感じ、場所はと聞くと築館では無く大崎の川渡だと言う。二人ってもう一人は誰だ?と聞くと、庁内の女性警部でもうすぐ警視に昇格し、地方の幹部に送ろうと考えていた人材だった。若いころは直接話をして気心が知れて仲間感覚で話して居たが、所属が替わりると日頃の挨拶程度では、帰属意識も薄くなり寂しくなった>と言われた。このお話は”信頼関係”のエピソードとして、実話だと言いました。


「私も仙台生まれで、佐々木次長には同じ郷里で親近感があり、会議終了後立ち話で柏木警視のお話を伺いました」

「あぁそうでしたか、私は生まれが横浜で父が次長の友人です、あの時は次長も忙しく私ごとの話は出来る雰囲気で無かったので、官房付の審議官が知り合いで、鈴木警視正に相談はしていたのですが、詳しくは伝わって居なくて辞表は受け取って頂きましたが、デスクの引き出しに入れ<預かって置く>言いながら、降格じゃないが大学に籍を移すと言われました」

そこへ木製のトレーを抱えるように、先ほどの女性警官が香織の良いコーヒーカップを運んできた。

まさるも、日頃コーヒーを好むのの「いい香りですねぇ」と漏らす。

 

「お好きですか?コーヒー」と署長も満足げだ。

「そうですね、アルコールよりコーヒーが好きですね」

「そうでしたか、それは良かった、三浦さんこれジャマイカかな?」と署長が聞くと、三浦巡査部長がニッコリ笑顔で、

「はい、そうです。もう少なくなりましたが仲村さんのお土産です」と、会釈する。

「うちもは、祖父も一緒に住んで居ますが来客にはお酒も出しますが、コーヒーの方が多いですね」

「お爺様もご一緒ですか、良いですね良い雰囲気が想像できます」

「住所は大崎の古川ですが、道場には露天風呂もあって建設会社を遣って居る古川より道場の主のように采配を振るってくれます」

「それは頼もしいですね、道場には毎日塾生と言うかお弟子さんが来るのでしょう」

「私も、府中の道場の師範の肩書が有りますが、川渡には柔道場・合気道弓道場など有りますので、年中人の出入りが激しいです」

「柏木さんは、多種多芸ですね。武道は芸ではないが良い環境をお造りになりましたね」

「殆ど私の力では無く、土地は祖母の実家の山林を拝借の形ですが、建物は祖父の会社が一切をやってくれましたので、自分たちが勤めて蓄えた資金は使わず済みました」

 

三浦巡査部長もデスクに戻って居るので、聞いており署長に伺いを立てるような仕草で動くと「三浦さん何かお聞きしたいこと有るんじゃないですか?」とカマを掛けると

「はい好いですか、奥様も武道を遣るでしょうが、何がお得意ですけ?」と来た。

「そうですね、何でも学生時代から遣って居るのですが、弓道合気道が5段位かな、私が東京の時は、柔道も師範代と二人で稽古を付けて居るようで、弟子たちは<先生が居ない方が楽しいよ>って言うので甘やかしているのでしょう」と笑う。

天童は将棋の話題だけでなくサクランボの産地でも有名だ(^^♪

「柏木さんも弓をお引きなるのですか?」と聞くので、「弓は昨年二段になりましたが一番難しいですね、女房は5段錬士ですから、師匠は見方が厳しいです」

そんな雑談をしながら、30分位過ごし立ち上がると廊下がざわめいて、斉藤くんが渋い顔で出して廊下に出、署長に配慮してまさるを呼ぶ。

緩い署轄の士気

聞いてみると、署轄全体が緩んで居て、連れて来た部下が呆れて怒り出し、休憩したようだ。捜査情報や接待の飲食は当たり前で、特にマルボウ絡みは適当に時間を掛けて保留にしてしまう様だ。

 

「難しいなぁ、理事官としては県本部の観察に指示することになるだろうなぁ」

「とにかく、被疑者が市内に戻って居る事も承知のようで<すぐ確保し拘留しろ>とハッパを掛けたが、ぬるいなァ~」と泣きそうな顔だ。

 

「地方はのんびりし過ぎか?俺は帰るから経過が収まったら、被害者と第二被害者に顔を出して、丁寧に謝罪して置け、”我が会社”の信頼回復も大事だからな😊」

「まさるには何時も迷惑な話で申し訳ないよ、また彩音さんに笑われるな😢」と、しょぼくれる。

 

まさるは署長室に戻り、署長に挨拶しようとしたら署の幹部と捜査担当者らしい私服に囲まれ深刻な顔で話し込んでいる、まさるは三浦巡査部長にアイコンタクトして素早く廊下に出る、三浦巡査部長も後ろから「有難うございます伝えて置きます」と敬礼している。

まさるも軽く挙手の礼をして、斉藤理事官の追いつく。

二人で、ゆっくり階段を降りて行くと、署内の全員が笑顔も無く一斉に頭を下げる礼をして居る。

 

斉藤理事官は、外まで一緒に出て

「本部長に事情を話し、処置を決めるよ俺の責任も重いが、県下の所轄を回ってみるよ幹部連中も気付いて居乍ら、見ない振りして居るんだろうなぁ」と又泣きそうな顔をして居る。

「休暇が取れたら、川渡に来て飲もうか😊」と、”めおと道場„号のドアを開ける。