まさる先生のブログ

新たな武道の境地を目指します

M&SSの再起動ー34(不法入国者Delete)

シンディーにお礼

2日前に、香港とマカオで捜索活動で知り合いになった名護警視から、不法入国の2人を拘束し榊原さんに協力を求められたことを、シンディーにも連絡して置いた。

 

お礼したつもりが、逆に大きな情報を頂き、今回の事案がトラブルなく終息方向に舵が切れ一件落着になった。

 

その時シンディーから折り返しで、カク・ヘイジュンさんがショウ・ボッツとクルーザー購入で横浜に行き、そのバージョンアップで、横須賀の漁港に滞在している事をトークして来た。

榊原さん、何で連絡を呉れないのかぁとコボスと、シンディーは、カクさんの気持ちとして(堅気に進路変更したカンさんをそっとしておきたい)と言った。

 

でも、日本に来たら会って挨拶したいと言うと、変更されたカクさんのスマホの番号を伝えて来た。

 

カクさんたちは、横須賀のホテルに滞在し観音崎灯台の近くの小さな船舶修理工場で、エンジンを交換し、無線の強化を依頼した。

殆ど仕上がって日中の港内航行はパスしたが、明日の晩からナイトクルージングを4~5日遣る予定だと言う。

 

カン(榊原)さんが日本に移住したので、ショウ・ボッツさんは自分の商売にも影響し、クルーザーのノウハウをカン(榊原)さんに聞こうとしたが、カクさんはカンさんを巻き込みたくないと、二人で来たらしい。

 

最近は、カクさんたち裏社会で、定時・定時で営業するショウさんには頼めないオーダーが多く、以前カンさんがやって呉れたナイト・ビジネスマンが居なくなった。

 

後継者を育てようと考えショウさんもカクさんと組んで、自分の商売の延長でナイトビジネスを併立することを決心した様だ。

 

それには大型のクルーザーが必要で、日中の仕事よりナイトビジネスにウエイトを置こうと考えた。

 

クルーザーは、外洋仕様で島しょ部分が多い香港からマカオの航行には切り離せない操舵テクニックも必要だ。

 

最初の二晩は工場の免許保持者が付き添い練習し、残り三日はカクさんとショウさんだけでやる予定だと言う。

 

元々ショウさんは、外洋航行の免許保持者で、横須賀海上保安署に申請し、短期の航行許可証を貰っているので、自由に外洋へも出られる。

 

名護警視から経緯を聞いて(所轄にも該当大使館にも内密に処置したい)と言う本庁の思惑を考慮、自分に委ねられる案件かなと思考した。

 

以前、南沙諸島の海域で処置した案件を思い出さし、その時は本国の海警との連携で上手く出来たが、日本の司直の範疇ではどうかなと考えて居た。

 

 

カン(榊原)さんは、二階堂警部・斎藤警部補・早坂巡査部長と横浜のベイサイドに先行し、中型のクルーザーを借りた。

 

夜釣りで一晩借りたいと申し入れると、受付がどの辺まで出かけますかと言うので、しっかりしたのを頼むと、二階堂さんが手帳を出し続いて榊原さんが一級船舶免許証を提出、暗黙の了解で一晩借りた。

 

中型の黒っぽいクルーザーを、バースから試運転しながら操舵感覚を試していたカンさんは「エンジン音が低く、小回り利くので調子良いですねぇ」と話すと

受付の若い担当者は

「昨年暮れに進水したばかりで10回くらいしか出て居ないですから調子は良いです」と保証する。

 

根岸のハーバーから本牧ふ頭を交わしベイブリッチをくぐり、横浜港の奥のベイサイドにつけてエンジンを切る。キャビンルーフがフラット川岸と同じくらいの高さだ。

 

大型のワンボックスがベイサイドと言うより帷子川のサイドに駐車し、テレビカメラや架台を組み立てている。

 

シャープ 加湿 空気清浄機 プラズマクラスター 7000 スタンダード 13畳 / 空気清浄 23畳 2019年モデル ホワイト KC-L50-W

撮影器具と同じような袋が無造作に置かれていたが、架台を組みながら機材袋を2~3個クルーザーのルーフに落とす。

 

クルーザーのスタッフは海釣りにでも行くのか、フェシングベストや釣り具メーカーのパーカーを着て機材袋をキャビンにいれ、静かに離岸する。

この所要時間は、40秒か50秒で一瞬の動き動作であった。

 

テレビクルーはカメラとケーブル操作など忙しなく動いているので、クルーザーの動きなど気にして居ない。

 

クルーザーは、きちんと前照灯を点灯一定の速度で本牧沖に向かう。

キャビンでは水上警察の臨検に備えて、釣り具の準備をしながら談笑して居る。

 

沿岸から少し距離を置いて、遊漁船が航行するコースをなぞるように航行、横須賀の街明かりを右に見て、観音崎灯台の右側にゆっくりと回り込む。

 

カン(榊原)さんは土地勘が無いので、レーダーと海図で慎重に操舵している。 

かなり先の海岸で赤とオレンジ色のライトが交互に点滅して居る。先日カクさんと話したサインランプだ。

 

海図で見ると、鴨居と書いてあるが大きい集落じゃない様な気がするが、近づいてゆくとコンクリートの壁二段に設けられている。

その壁が防波堤になって居て、一部二重の部分から船舶が出入りする仕組みだ。

ここは太平洋が真正面になって、台風や高波はモロに襲い来るところだ。

 

防波堤の脇に、カンさんたちのクルーザーの倍近いデカいのが停泊していた。そのキャビンルーフに点滅して居るのが赤とオレンジのライトで青と緑も付いている様だ。

 

幅の広いサイドデッキに、カクさんとショウさんが立って笑いながら手を振っている。
「やぁカンさん元気だったかい」とカクさんが大声で話しかけてくる。

 

「しばらくぶりです、その節は大変お世話になって居ながら、日本に逃げ込んでしまって申し訳ありません」と中国語で返事をする。

 

「話は分かったから、お荷物を頂こうか?今晩は大島を回って三宅島位まで延ばそうとショウさんと相談したんだ」とカンさんとクルーザーにフック付ロープを投げてきた。

 

二階堂警部が素早く受け取り、斎藤警部と早坂巡査部長がプラスチェックの衝撃止めを持って間に差し込んで調整して居る。

 

既に三つの収納袋はデッキに出してあるので、2人で一個づつ持って大型船に移動し、重そうな塊は3人でも重そうだが2分くらいで終了。

 

二階堂警部と斎藤警部補が大型船に乗り移る。残った早坂巡査部長が繋留ロープを外し、ショック止めを巻き上げ収納し、両船は静かに離れる。

 

二階堂警部が軽く挙手の礼をし、カクさんんが別れがたい顔でカンさんに話しかける。

「今度は、香港で待って居るから、その時はたっぷりご馳走するよ、ユウリンちゃんも必ず連れて来るんだよ~」と叫ぶように聞こえる。

 

二階堂さんと斎藤さんは明日の朝ここに戻ってくるが、カンさんたちは横浜にクルーザーを返して、東京に戻ることになる。

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横浜で借りたクルーザーのイメージです(^^♪

操舵しながら、カクさんにスマホで電話する。

「大変重たい仕事を頼み恐縮です、この埋め合わせは近いうちに渡航しますのでその時にします。チュウ親分にはよろしく言って置いて下さい、この次は川渡に作っている武道場でゆっくりしてください、二階堂さんは中国語が堪能ですから、なんでも聞いて下さい、有難うございました」と話すと

 

「明日で練習を終了し、明後日は早朝に出発し行けるところまで航行し、近くに接岸するか仮係留するかは天候次第で決め手は居ないよ」

「ベテランのショウさんは無理しないでしょうが、気を付けてお帰り下さい」と切る。