まさる先生のブログ

新たな武道の境地を目指します

思いがけない反省会

長官室長の大きな勘違い

西国の県警本部で課長職を務め、本庁の長官室長に据えられ勘違いした警部が分相応に振舞えば、問題にならないことが、偉ぶった手続きで大失態、各部局のトップも訓戒処分。

 

当人も降格で自主退職で、庁内も落ち着いた。

2か月くらいして大使館とも話が付き、次長が特別に気を使い姉弟と一席設けることになった。

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銀座だが裏通りを少し歩くと静かな佇まいで都心とは思えない(^^♪

こじんまりした老舗の料亭に、佐々木次長と鈴木審議官・スーザンとマイケルにオブザーバーとしてまさると彩音さん、飛び入りが沖縄の父親が出席で反省会を設けた。

 

誰が出席するか知らずに参加したので、スーザン姉弟もまさる夫妻も驚きの連続。

空軍の中将で、沖縄の司令官の噂もあったブラウン社長(スーザン姉弟の父)が、少し変わった座敷に座っていた。

 変則な老舗の改築

和室だが座る部分は堀炬燵の様に下に低く、椅子に座っている。低い部分も畳敷きで、広く後ろを歩いてもユッタリ歩けるし特製の椅子は、華奢に見えるがブラウンさんが座っても軋み音もせず、寛いで居る。

 

佐々木次長と笑いながら会話し、マイケルたちが入って行くと

「近いのに遅いじゃないか」と、冗談を言いながら2人に暖かい眼差しを向ける。

 

まさると彩音さんと鈴木さんも続く。鈴木さんも「あれっ」と言う顔で戸惑い気味。

「どうしたみんなは、驚いた顔で何か変かなぁ」と、佐々木次長が惚けている。


「失礼します、鈴木奈緒美といいます」と、ブラウンさんに挨拶。
「一度お会いしたいと考えて居ました、この二人の父親でケイズ・ルイ・ブラウンと云います」と、流ちょうな日本語で挨拶。

「柏木 まさる」です。続いて「柏木 彩音と言います」と挨拶する。

「これで大体のメンバーがそろったが、ミスターブラウン始めますか?」と、聞く。
「そうですね、進めながら紹介して行きましょうか?」と、ブラウン社長が仕切る。


誰が主催なのか分らないが、日本式にビールとワインとお酒が運ばれた。

 そこで、佐々木次長が乾杯の挨拶をした。


「実は、お一方参加しますがお食事を進め乍らお待ちしましょうか、それではコップを上げて乾杯」と、軽く乾杯をする。

 

「今日は、ブラウンさんが遠路はるばるご参加いただき感謝して居ます、一段落した時マイケルの件でお騒がせしたので、ブラウンさんにお詫びしようと電話したんだが、その時関係者に集まって貰い食事会でもやろうかと思いついたんだ、ブラウンさんが東京に来る日を尋ねると(明日でも良いですよ)と言う話なので、何処が良いかなと考えて居ると、ブラウンさんの提案があったわけです」

 

 佐々木次長は、一旦切り

「今日のメインテーマですが、私の不手際でオフイスの恥さらしの部分、庁内の士気モラルが落ちて居ることに起因します。マイケルくんとスーザンさんにはお伝えしましたが、先ほどまでブラウン社長と事実の擦り合わせをし、外構機関も絡む話になり微妙な綱渡りをして来ました」

 

「先方の要望は、勝手なことで他の機関の人材を自分たちの都合で、一時的とは言え派遣しろという事は乱暴極まりない話です。それも外国籍の人間を簡単に考え、傲慢な政治的背景もチラホラと影が見えます」と、ブラウン社長の顔を見る。

 

「私からもお詫びします、退役した人間ですが母国の傲慢な姿が目に付き、長く続けても良いと思っていた軍籍も嫌気がさして、ワイフと相談して身を引きました。君たちに詳しく話さなかったのは、これからアメリカという国に関わる場合、気まずくなることを懸念したが、今回見極めました」と、悔しそうな顔をしながら

 

「友人の大使館付きの武官に、マイケルをお使いに出したのが今回の発端です。私の軽率な行動で、マイケルを大使館に遣わせ、マイケルに接した館員が異常に興味を持ち、本国からの要望の事案にマイケルがマークされた様だ。大使館のNO2が本庁の長官室にダイレクトにアクセスし、コジレタのです」

 

「ここから私が引き継ぎます、長官室長に脛に傷持つ警部を付けたのが私のミスです。大使館の幹部が長官を名指しでコールして来たので、浮かれた室長が自分で処理しようと人事に電話したり、機密に近い個人情報をFAXで送信するなど奇想天外です。大使館では長官室からの発信を、許認可の審議OKと認証、あっちこっちにアクセスすることになった」

 

「マイケルくん、実はこれが貴方の大使館派遣の話で、田舎芝居の様なドタバタ劇だったわけです。良く聞いて見ると、マイケルの容姿・語学・武道・人柄など総合的に評価し、大使館付の臨時職員として採用し、日本の司法に精通し、日本語が堪能な外交官として、香港か台湾付近に業務が有ったようです、以前柏木警視が担当していた、アメリカ版かもしれないね」

 

まさるも、大きくうなずき
「終息は見えたのでしょうか?」と聞いて見た。

「大使館は、ブラウンさんからも釘を刺され、今頃は作戦会議を余儀なくされているでしょうね、この話は、M&SS時代に知り合った、大使館の幹部から聞いたのですが、今の政権になってホワイトハウスからの指示があると、何を置いても取り組むようになったので、前後の手続きが抜かれ後始末が大変なようです」と、みんなの顔を眺めブラウンと頷き合う。

 

「もう少し話があるかも知れないが、お料理をお願いしようかね」と、チャイムを「チ~ン」と、鳴らす。

 「佐々木次長、質問して良いですか?」と、鈴木奈緒美さんが笑顔で聞く。

「はい、今日は階級も上下関係もなしで無礼講で寛いでください」


「そんなに難しい事じゃなくて、ここのお店は何時頃からご存じだったのですか?」と、やんわり来た。

佐々木さんは、慌てたようにブラウンさんを見る。意外なことにブラウンさんが

「それでは私の方から、ここの馴れ初めと言うか昔の話をします」と、障子の方を見ると障子が静かに引かれた。