地元紙の取材申し込み
取材の話で体勢造り
翌日、地域で信頼されている河北新報から電話が入る。
「文化・体育担当の山口と言います、大崎市役所の小野寺氏のご紹介で、お話を伺いたいと思いますが、明日の土曜日はご都合は如何でしょう?」との問い合わせだった。
「はい 小野寺さんからご連絡頂いています、土・日いづれも大丈夫です」と彩音さんが答える。
「古川にも常駐の記者が居ますので、カメラと3人だと思いますが午前中でも良いでしょうか?」
「はい 休日は朝から練習生が入りますが、柔道と弓道に合気道も遣って居ますね」
「えっ三種類の武道を同時進行で練習できるんですか?、認識不足でした時間かかるかも知れませんが、大丈夫でしょうか?」
「休日はスタッフ全員が揃うようにシフトして居ますから、ご説明できると思います」
昼食後に、柔道の高田さんや、市役所の小野寺さんにも電話をして、もちろん家族にも話し午前10時ごろには揃うように手配した。
弓道の斉藤さんも、夕方稽古に来るので話すことにした。
祖父は他人事の様に避けようとしている
「そうか新聞が取り上げて呉れるか、宣伝効果大きいだろうからしっかり対応して呉れよ」と祖父は第三者的な雰囲気だ。
「お爺さん、ダメですよ大事な話が有るかもしれないですよ、ご苦労した部分などお爺さんが話せば実感が出ますよ」とまさるが肘を引くように、祖父の傍に寄る。
「わしなんか何にもできないよ、弓だって柔道だって眺めて居るだけだもの」と逃げ腰で関わりたく無いようだ。
「そうじゃ無くてここの敷地の事や、改築や弓道場なんか新築ですから、お話は幾らでもありますよ、兎に角傍に居て下さいよ!」と、まさるが懸命に説得。
「香織さん豊さんにも電話して、都合が良かったらと声を掛けて下さいますか?」
「お兄ちゃんも関わって居ない様だから、良いんじゃない?」
「いや~武道の話だけでなく、道場運営に積極的に参加して頂いているので、様子を見て頂きたいんですよ」とまさるも頼りにしているので、傍に来て欲しいようだ。
「そう言う事なら正一も、バックアップしてくれているから当事者の部類かな?」
「そうですね音響と照明は殆どお任せでしたね、香織さんお父さんの都合も聞いて顔を出して貰ってくださいよ、久しぶりにファミリーランチ会でもやりますか?」
「そうか~そう言う事なら楽しそうだね、暫くやって居ないなぁ」と祖父も乗り気になって来た。
「香織ちゃん書き出してみて呉れない?」
「はい分かりました」と脇のメモノートを引き寄せ書き始める。
ランチの話で落着
「明日は、バイトの学生さんが午前中から来るので、合計16名になります」
「その位ですか? 実は何かの功労賞とか言って報奨金が出たので、皆さんにお裾分けを考えて居ましたので、ランチ代は僕のお小遣いで間に合いそうです」とまさる。
「あぁ~そうでしたね、役所としては珍しいですね私は表彰は受けましたが、お小遣いは頂いたことが無かったような気がしますが」と彩音さんの感想
「僕も役所内では無かったが、大学勤務になって出入りの武具の業者なども多いし部署ごとに融通が利くようだね」とまさるも感じている。
「それではプラスアルファ―で増えても、道場主の驕りで接待できそうだね」と祖父が話を締める。