研究資料の収穫物処理
野菜の処理に遊び心
研究所の野菜や果物など研究用野菜などが結構多く育成し、研究資料を採取後の多くは廃棄処分になる。
一畝植えても5株位試験資料が済むのが、間隔を取って植えるので生育条件が良く通常の農家の作物より美味しそうに育つ様だ。
大学の食堂の送っても量的には半端なので、割安で販売所を作ったが人通りが無い道路脇では売れ残りばかりで、結局廃棄になる。
斉藤こずえ先生は、担当としていつも悔しい思いしながら、堆肥場に持ち込む。
以前「めおと道場」の親戚の農家が、出荷できない訳アリ分を道場の前に並べて、配ったことを思い出した。
斉藤さんが道場の脇に、お店の様に場所をお借り出来ないかと提案し、店番無しで気持ちのある人は小箱に小銭を入れる様な簡単なお店を相談をした。
祖父がそれを聞いて、
「それは面白いね、道場の入り口でも駐車場脇でも場所は沢山あるから台造りは任せてくださいよ」と乗り気だ。
お爺ちゃんのお家芸
祖父は、ご自分の作業場に閉じこもり、ガタゴトやりながら2時間位で幅2メートル奥行き1メートル程の棚を2台造り、運んで来た。
「まぁおじいさま、もう出来ちゃったんですか、これは本格的なお店の様なガッチリしていますよぉ~」と、喜んで居る。
少し傾斜の2段のシャレた棚になって居る。
「この辺に郵便受けかお賽銭箱の様なモノを取りつけましょうかね」と、台の脇を指さしている。
「どれでも¥100として小さな袋とか、束にして持ち易くして置きましょうかね」と、斉藤店長が仕切る。
「それは良いね、全部100円以内ですよ~見たいなお店は楽しそうだね」と祖父。
夕方帰ってきた香織さんが
「この台は何にを飾るの~?お雛様じゃ少し武骨だし~」と、ぐるっと回って見ている
「まさかお雛様が可哀そうですね、農場の野菜など収穫物を自由にお持ちいただくお店らしいですよ」と、彩音さんが学習コーナーの窓から声を掛けた。
「そうかぁ~斉藤先生の発案でしょう~考えたねぇ」と、香織さんも喜ぶ。
「大根とかネギなど根モノはは洗ってあげないと、その時は温泉から湯を回して洗って上げよかな」と香織さんは売り子に手を挙げる。
道場の温泉浴場は常時垂れ流しで、お湯は透明で鳴子の硫黄泉と違い、野菜などを洗っても匂いが残らないので重宝して居る。
道場に又一つ名物が出来そう(^^♪
「おぉ帰ったか、これをここへ取り付けるか」と、小さな祠の様な箱を持って来た、斉藤さんたちは帰ったがコイン入れを造っていた様だ。
「あれっお金頂くのぉ~」と香織さん
「まるっきりタダでは乱れるから最高でも¥100にして、百均ショップだな【コインが無い時は自由にお持ち下さい】にして置けばいいさ」と気楽なオーナーのお言葉だ。
「それじゃ~門の近くに、幟でも作って立てなくちゃ~」と香織さんも本気だ。
そこへまさるが、サラリーマンの様にスーツ姿に大き目のバックで
「只今ぁ~」と、帰ってきた、みんなもこんなに早いのは初めてなので驚く
「あらぁ~こんなに早く大学をクビになったのぉ~」と、香織さんが大声で迎える、
「いやぁ~クビじゃないが、午後から本庁で会議して早く終わったんだぁ」と、微笑む
「電話して呉れれば迎えに行ったのに~」と彩音さんもひとこと。
「う~んいつもより早いんで,たまにはローカル線に乗って見たくなり、時間は掛かったが結構面白かったよ」
「そうか陸羽東線もあるんだなぁ~」と祖父も思い出したように呟いている。
「川渡がSuicaを使えないので、暫くぶりに切符を買いましたよ」と満足そうな顔だ
「それにしてもこれは~八百屋さんでもやるのかな?」とズバリ当てる。
「はいっご名答です、道場じゃ利が上がらないんで、多角経営にチャレンジです」と澄まして話す香織さんだ。
「それも在りかぁ~」と渋い顔になる。
すかさず彩音さんが
「赤字にはなって居ませんから、ご安心ください最近は束修で運営出来て居ますから、八百屋さんの上がりはお子さんたちのおやつ代でしょうかね」と出納係のご託宣。
「最近は門下生が少しづつ増えて、退会者が居なくて安定している様だから、地元の知名度が大事だな」と祖父も気にしている様だ。
もしかしてのメディアの取材に盛り上がる
「そうだ昨日の朝、市役所の小野寺さんと一緒になり(知りあいの新聞記者から、体育関係のネタが欲しいと言うので「めおと道場」を紹介してあるから取材が入るかも知れないので宜しく)と言われたんだ、電話が来るかも知れないよ」
「それは嬉しいニュースだね、それでは明日にでもヘアーカットに行かなくちゃぁ~」香織さんが反応。
「香織じゃないよっ 塾生が汗を流している所が一番絵になるんだよ」とセミプロのカメラマンが釘をさす。
「な~んだ詰まらないなぁ」とふくれる香織さんだが
「大丈夫ですよ、香織ちゃんも塾生だから道着を付けて動き回って居れば、可愛い娘にカメラのレンズが追いかけるのが道理よっ」とお役所の庶務係長だったカミソリ彩ちゃんがご推薦。
「そうかその手が有ったか、カメラが男子か女子でもアングルが変わってくるから、楽しみだなぁ~」とお爺さんも楽しんでいる。