まさる先生のブログ

新たな武道の境地を目指します

女社長に誘われて

交番で事情説明

交番には先ほどの女性安藤みゆきさんが、さきに着いて高橋巡査と話して居た。

 

大きめの交番で、高橋巡査の上司で上野警部補がマイケルに話しかけて来た。


「名護さんは近くに勤務ですか?」と聞いて来た。
役所勤務は知ったようで、警官という事も承知している様だ。

 

「入庁2年目で、大学に残り武道関係に関わって居ます、ここへは毎日のように通って居ます講道館の6階で稽古して居ます」

「そうですか時間外に通うのも、結構な仕事になりますね」と上野警部補が笑う。


「たまたま武道術科の助手を指名され、段位が低いのでは指導員に成れないので、融通の利く間に昇段しようと通い始めました」

マイケルに関心がある

「そうか指導員に成るには、本物をマスターしないと務まらないか?」と呟く。

 

「今は空手・合気道が5段で柔道が5段錬士の先輩が教授で、その助手ですから気が楽なのですが、私は柔道が三段では稽古を付けるのが申し訳ないので、この間四段に受かったばかりですから、もうしばらく通いそうです」

 

「そうですか、この間の審査をパスしたの名護さんか?うちの署からも審査に行き【金髪の外人さんが5人抜きで途中で引っ込んじゃったよ】と言って居たが、名護さんでしたか?」

「あぁ~そうでしたか、あの会場に居らっしたのですね、講道館での審査は少ないようですが、私の講師がチャンスだから是非応募しなさいと言うので、参加しました」

 

「空手の四段も怖そうだが、指導員に成るのは五段位ですかね」
「そうですね、講道館の指導員は取得するには厳しい審査が有る様です」

 刃物携行の不審者

「あっ無駄話にお付き合い頂きましたが、さっきの容疑者は別室に確保して居ますが、聞いて見ると某大学の陸上部部員で、何か誰かに脅されているのか纏まった金が必要になり、計画性のある犯行の様に思うのです、ポケットに飛び出しナイフを持って居たので、危なかったですね」

 

「抵抗の可能性も有ったんですかね」とマイケルも不安になる。

「一通り聞いてのですがここじゃ出来ないので、皆さんのお話の後で本署に移してやって貰いますよ、結構口が重くて答えないんですよ」

 

「はぁ~その辺はお任せします、私は通りすがりの一市民という事にして置いて下さい」と言いながら隣のデスクで、安藤さんも終わった様だ。

 

「先ほどは失礼しました、名護さんもお巡りさんだったんですね」と安藤さんが頭を下げてお礼をする。

 

「いやぁ~全く偶然通り合わせたのですが、お怪我も無くて良かったですね」と柔らかく答える。

 

高橋巡査が、立ち上がり会釈し
「名護さんで良いですか?」と聞いてくる。

 

「はいっ名護で良いです」と立ち上がり隣のコーナーに移る。

「お名前とお住まいお勤め先などお聞きしたいのですが、宜しいですか?」と聞く。

 

「はいどうぞ、それにしてもこうして質問されるのは暫くぶりですね」と昔を思い出す

「お名前は、通常はカタカナと漢字で良いですか?」と名護マイケルと書いて見せる。


雑談しながら30分ほどで終了し、不審者には会わず安藤さんと外に出る。

 

 二人とも被害なしで、マイケルのスーツのズボンが少し擦って汚れたが目立たず、被害届も必要無いので帰ることにした。

f:id:owlboy2:20200306141123p:plain

交番は講道館の隣で春日町の交差点で、講道館の真ん前で押し問答していた(^^♪


口説かれるマイケル

マイケルが駅に向かうので

「ここで失礼します」と離れると安藤さんが立ち止まり、笑みもなく困ったような顔で

「さっきのお話で、コーヒーショップをお探しと聞きましたが、もうお飲みなりましたか?」と聞いて来た。そう言えば、不審者のお陰で忘れていた。

 

「そう言えばまだ飲んで居ませんでしたね」と笑う。安藤さんは急に明るい顔になり

「そうでしょう、私におごらして下さいますか?」と一歩前に近づく。

 

「はぁ~でも~」と躊躇して居るとすかさず
「私を怪しい女と思っているのでしょう?」と詰め寄る。

 

「決してそう言う訳では在りませんが、初対面で~」と迷って居ると

 

「何ですか?国家公務員は女性の誘いに乗ってはいけない規定など無いでしょ」とまるで姉のスーザンが云うような良い調子だ。

 

「はいっそこまで言われたら仕方ないですね、お供します」と軽く会釈する。
通りすがりの人がなんで揉めているのかな。興味ありげに眺めて居る。

 

「はい行きましょう」と腕をとるようにして、スキップするようなテンポになる。

 

今まで気づかなかったが、交番は講道館の隣で春日町の交差点にあった、二人はメトロの駅に向かうよう講道館の前で押し問答をしていた。マイケルは目立ち過ぎだ。