あるじが留守でも粛々と日課をこなす
香織さんと名護姉弟もトレーニング
スーザンも体を絞る
名護姉弟は、柏木家のみんなと夕食を摂り、一段落するとトレーニングルームに行く香織さんを追いかけて来た。
「こんな立派なマシーンが揃っていて、楽しそうだね」と、マイケルが興味を示す!
香織さんは
「私は未だ何にも教わって居なくて、基礎体力を付けなさいと言われ、食後1時間くらいしてから、ここで機械に遊んでもらって居るんです」と、笑いながらカバーを外す。
未だ式で使った、什器や椅子テーブル、小道具など整然と整理されたホールは、柏木建設の倉庫の様に色々置いてある。その脇にスーザンとマイケルも手伝い、結婚式で片づけられたマシーンを運び出しセットする。
スーザンは、武道が苦手と言って居たが、均整の取れたボディーで腹筋やバーベルを挙げたり、結構汗を流していた。
3人でそれぞれ、身体をイジメながら無駄話も無く1時間近くやって、汗を拭きながら
「香織さん、温泉があると聞かされたのですが、余り匂いしないですね」と、マイケル
「そうですね、鳴子温泉は硫黄泉ですがここに引いて居る温泉は、カルシューム系で透明に近い温泉です、これから汗を流しましょうか?」
「良いですね、おねぇさんも行くでしょう?」
「もちろんよ~(^^♪」
温泉で汗を流す
姉は弟に厳しい一言
「じゃ~母屋に行って私たちが、温泉に入ることを伝えて置きますね」と、廊下を駆け出す。駆けているが、足音がしない忍者の様だ~~
「すぐ戻って来て、いまは誰も入って居ませんから、行きましょう」と道場の脇のロッカールームの続きの扉を開く。
すぐ脱衣場があるが、柔道や空手合気道の弟子たちはロッカーで着替えるので、ここはタオルだけで通る。
「そうか、ここは微妙なゾーンになるんですね!」と、マイケルが笑う。
「そうです、今日は道場を使って居ないので問題ないですが、子供たちは全然気にしないで走り回っているので大変です」と香織さんも楽しそうだ。
「女子は、向こう側から入るのでマイケルさんは、ここから入れます」と、スーザンと二人で脱衣場から出て行く。
「マイケル、一人で覗き見なんかしちゃだめよ!」と、スーザンがびしっと忠告!
「大丈夫です、僕も社会人になって本庁の一員ですよ!」と、こちらも引かない。
祖父たちと夕べの団らん
豊さんの将来を諭す
柏木建設の社長正一さん夫妻が、古川に戻り祖父の真二郎夫妻や、仙台の叔父柏木太郎夫妻の泊まったので、賑やかのひとときを過ごしている。
豊さんも、招待客の送迎でアルコールを経って居たので、夜になってユックリ飲みリラックスして、お年寄りたちと、語り合って居る。
仙台の叔父が
「豊もそろそろ、身を固める時期だなぁ」と、笑いながら顔を覗く。
「いやぁ、僕はまだ早いですよ親父があんなに元気ですから、もう少し先ですね」と、
「でも、そろそろ役所を辞めて会社の経営を覚えても良い年ごろだよ」祖父も加わる。
「だって、親父は40過ぎてから代替わりしたのでしょう?」
「正一は、現場で仕事をしながら学んだの20代からだから、追い付くのは大変だよ」と、祖父がやんわりと話を進める。
「そうだな、事務所に居るだけじゃ会社経営は出来ないから、正一と現場で学んでから継ぐのが、社員の信頼度が違ってくるだろうなぁ」と、太郎叔父さんも諭す。
「まさるちゃんなら、なと言うかなぁ」と、まさるに話を飛ばす。
「まさると彩音さんは別物だよ、考え方が我々と別のレベルで根性が違うな」と祖父。
「あの二人を見ていると、東京のど真ん中で仕事して来たとは思えないほど、土地に馴染んで居るし浮ついたところが見えなくて、頼もしいなぁ」太郎叔父さん。
「そうですね、彩音ちゃんには最近逢ったばかりだが、しっかりしているね東大の秀才だと言うが、そんなこと感じさせない奥ゆかしいのが良いねぇ」と、雅恵叔母さん。