M&SSの再起動ー40(真夜中の格闘)
徹宵の出来事
二階堂氏から23時に連絡が入る
「約1時間前に浦和から東北道に入り順調に走って居ます、今栃木に入ります、カーナビに柏木さんの住所を入力して、マップで確認しましたから、迎えは必要ありません。朝暗いうちに引き取りたいのですが、ご都合は良いでしょうか?」
チョット長いLINEで、すぐ返信する。
「やはり人目が有るから、早い方が良いでしょう常時スタンバイですから、連絡を気長に待って居ます。一応固縛して、猿轡と目隠しをして転がしてあります、事情聴取し、真偽は不明ですがコピーしてあります。所持品も確保しましたが現金が多く、216万ほど持って居ました」と報告する。
追伸:古川のインターを降りたら、電話くださいと追伸する
一度外に出て一呼吸おいてから榊原さんと徹宵しようと、 ワゴンの後ろで立ち止まる。見上げると川渡の空は星が手に届くほど近く見える。
最近趣味の一つになった、デジタル一眼で夜の星空や山の景色なども撮っている。
裕太が大きくなったら、一緒にカメラで遊ぶのも良いかなと思ったっり(^^♪
榊原さんに声を掛けて、付き合うことを知らせる。
大いに歓迎と言いながら、念のため被疑者をシートにぐるぐる巻きで転がして置く。
ワゴン車に仮眠をとることにし、後部座席を全部倒してスペースを作る。
被疑者のロープが、無理に解けばホーンが鳴るように細引きでつないで置く。
「東京に渡してしまうと、強制送還でお終いになるのかなぁ~」と榊原さんは未だ不安が残るようだ。
「いやぁ今回も非公式の拉致・確保だから、暗黙の処置で抹消するんじゃないですか?」
「それならあと腐れが残らなくて、すっすっきりするんですがぁ」と、寝返りをうつ。
榊原さん刺される
10分くらいしてウトウトしかけた時、クラクションが鳴り二人とも起き上がってブルーシートを覗き見る。
「動いて居ますね、小便かな?」と榊原さんが外に出る。
まさるも続く。
シートがもぞもぞ動いて居るので、榊原さんがシートめくると、何か言っているのか猿轡を外すと、やはり小便らしい。
「まさるさん、工事用のトイレが向こう側に在りますから、歩かせてゆきます」と足元のロープをほどき、両足を40センチ間隔で縛り走れないように狭める。
手を貸さないが脇に付いて歩きだす。
まさるも気になるので、後ろに付いてフォローする。
榊原さんが、イレの前で手のロープをを外し、両手を高く挙げさせドアに付けるように、中国語で指示する。
続けて足のロープを外し素早く羽交い絞めして、立たせる。
「まさるさんドアを開けてくれませんか」と声をかける。
「了解しました」と、まさるも節度を付けて動作する。
そこで、相手のベルトを掴んでトイレに押し込む。
「終わったらドアをトントンと叩け」と指示し,閉める。
榊原さんは、まさるにだけ聞こえる小さな声でドアを頼みます、私は正面で確保しますと、確認し合う。3分くらいするとうめくような声が聞こえる
「どうした?」と声を掛けたが返事がなく唸るような声になる。
榊原さんがまさるを見て頷き、まさるがドアを少し開けたが、苦しそうな声だ。
まさるが榊原さんの顔を見て確認しながら、ノブをしっかり握りながら10センチ位開いて様子を見るが、気配をあるが動かないで、うなる声だけで姿が見えない。
怪しさを感じるが、榊原さんんをみる。
頷く顔を確認しながらドアを少しづつ引き、20センチくらいになった隙間にキラッと光る刃物を感じ一瞬で突いて来た。
ドアに手を掛けようとした榊原さんの左腕をかすめたが、二突きめは体を右に開いて受傷した左腕流れる血が返り血の様に顔に浴びながら相手の右手を払い、前のめりに落ちてくる首筋に手刀を打ち込む。
手刀が利いたのか、前に倒れて来たので刃物をもぎ取る。魔修羅様な顔に笑みが浮かぶ。