賢樹さんの陳述が続く 弥賢樹こと三枝浩治さんの陳述が続く「実は、ロケットやミサイルの改造・製造に関わるようになり、外国に出張する時は、必ず多額の現金を持たされました。初期の頃、天津の精密機械工場で商談した時、現地の警察では無く軍の情報部が警…

幼馴染の友人だった 鈴由の自己紹介で、親の賢樹さんも佐藤さんも、杉原さんの連れも驚き唖然とする。賢樹さんこと浩治さんも、娘が冷静に対応してくれたので、ホットした顔で「娘の鈴由だ、女房は15年前に病死し、いまは二人暮らしだ」とあっさり紹介する。…

デッキは和気藹々の交流会 「佐藤さんたちのお仕事も、可なり際どいですが今回はいい経験になりました」と安堵したように言う。「私も、このようなハッピーエンドな仕事なら嬉しいのですが、まだ少し有りますから」と、話しながら階段を昇る二人は驚いた。 …

余計なお世話？ シンディーが少しお節介だと思いながら「余計な事ですが、先ほど高雄から來る佐藤領事官と話し、使用するのは公船では無く民間船で、うちと同じです。佐藤さんに相談して考えて下さい、船のオーナーを知って居ますが、多分受け取らないでしょ…

東進から北進に転換 香港海域から抜け本格的な外洋航海に入り、クルーザーは舵を北に切る。シンディ―二世号の操舵室は初めて向かう外洋を、レーダーの画面と海図を広げてコンパスを使いながら、前方を見つめている。大陸側にも気を配るが、タイペーの警戒網…

拓少尉怒なる 拓少尉が、飛び掛かるように体を乗りだし「何のまねだぁ公務中だっぞっ邪魔するなのかぁ」と怒鳴る。同行していたパトロール船の船長も大きな声で、「何で止めるんだぁ」と叫ぶ。ライトを点けたパトロール船の、制服を着た４～５人が慌ててデッ…

３１－５ 最終目的地 少し待っていると、黄色のパーカーの女性が歩いて来たが、後ろにスーツケースを押した軍の制服の若い人、その後ろに身長のある田舎の娘がショルダーを肩に掛け荷物は無い、続いて背の高い中年の男性もショルダーを肩に、さらに後ろにも…